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手賀沼略図

 柏市教育委員会所有の手賀沼絵図(宝永元年−1704年測量、以下宝永図と呼ぶ)に記入の各種用途(田・畑・水面など)の範囲外周部は、明治時代後半の正式2万分の1図(以下正式図と呼ぶ)にほとんどの場所で、手賀沼を大きく囲む外周道路として残っている。宝永図上の特徴ある道路の形状および村どうしの境界等から正式図との各点の対照が可能となっている。宝永図に縮尺が明記(100間に付き7分宛て≒8571分の1)されていることから、宝永図を実測し正式図上の距離と比較した。

測定日 平成17年3月16日、4月21日
測定者 中津川督章 山田宏
測定場所 手賀の丘公園ギャラリー及び沼南庁舎
測定点 道路屈折部及び村境など36点
測定方法 宝永図の原寸コピー及び原図をスケールによる歩当り

 区域を3つに分ける。(手賀沼略図参照)
U:手賀沼北岸の沖田村から布佐村にかけての区域
V:手賀沼南岸の亀成村から名内村にかけての区域
T:U及びV以外の残りの区域

 測定結果は、正式図上の距離を100として宝永図上の距離は下記の通りとなった。
 
全体 平均 92.4  標準偏差 9.7
区域T 平均 95.1  標準偏差 5.4
区域U 平均 87.9
区域V 平均 88.6  標準偏差 3.4

 区域Tと区域UVの間に明らかな差があり、区域U及びVのデータを全体からはずした区域Tは標準偏差が小さく、バラツキが改善されている。
 更に連続して道路屈折点どうしの測定と沼を横断する形の測定に平均値、偏差とも差がない。
 宝永図原図の大きさは、177.2cm×86.6cmで、和紙を貼り合わせしてある。

 まとめ
1. 区域U及びVの大きな誤差(両区域共縮小巾が大きい)は、ほとんど直線的な陸続きでの測定であり、当時の測定事情から考えても誤差がでにくい事、地域UとVが沼を挟んで対象の位置にあり、区域Tに戻った所では誤差がうまく解消されている事などから、この絵図は明らかに意図的に、高い処理能力をもって、作られたものと考えられる。結果として、布瀬村前面の下沼がかなり小さく表現されている。

2. 区域Tの平均値が95.1と100より小さいのは、測定誤差とは考えづらく、経年変化による絵図の縮みによるものか、絵図作成時の意図的なものかは不明である。あるいは、地方により1間が6尺3寸を用いた時期もあるらしく、これによった可能性もある。