家族の一員だった文鳥

次女から単身赴任先へのメール

 文鳥の死

 動物を飼うのはこういうときに、本当につらい。どうしたって人間よりも長くは生きられないんだから仕方がないんだろうけれど。それでも動物はかわいいし、私たち家族にたくさんの幸せと温かさを運んでくれる。だから、いつか来る別れをわかっていても共存したくなるものなのでしょう。

 小鳥を私がもらってきて飼い始めたのは、小学校の2年生の梅雨時でした。近所のお家で、忘れられたように飼われていた白文鳥を、いらないからともらったのが始まりでした。初めは、おかあさんもおとうさんもあまりいい顔してなかったような記憶がある。でもやっぱりうちの家族は基本的に動物好き。そんな空気はあっという間に無くなった。

 あれから約20年。私は、子供の頃から動物を飼う、ということをさせてもらえたことを本当に良かったと思っている。生き物の命の大切さ、かわいさ、いとおしく思う心、守るべきものへの責任みたいなもの・・・など数知れません。
 私は末っ子だし、だから余計にそういう気持ちを育てる機会を与えてもらえたことを、ありがたく思います。今、動物を虐待したり、無責任に飼っては捨てたり、愛情を注げない人が本当に多いらしい。悲しいことに。だから、うちに来たペットたは、きっと幸せだと思う。家族みんなから大切に可愛がられているのだから。もちろんおかあさんの愛情と世話が一番大きな要素となっているけれど。

 長くなりましたが、ここで我が家の文鳥史を飼った順にふりかえってみます。

   1980
 梅雨時、5階の西村さんに1羽もらう。
 「チイタ」と名付ける。オス。とても優しい性格。
 大人なのに、お姉ちゃんの躾で手乗りとなる。
 「チイタ」が水浴びをしていると「ミースケ」が飛び降りてきて、渋々場所を譲る。「ミースケ」が終えた後の少ない水でちょびちょびっと水浴びをする。足を折ったり、脱走したりがあったが、無事帰還。
 84年の秋に庭で、猫におそわれ、死す。

 1981
 神山さんの引っ越しで、飼えなくなったオスをもらう。
 名前は「ミースケ」。自己主張の強いやんちゃな子。「チイタ」と幼なじみ。オス同士なのに同じかごで生活。ちょっと手乗り。
 83年の年明けしばらくして、死す。

 1983
 3月。ひな2羽をペットショップで購入。
 まず、ひな。メスかオスかは不明。「ひこ」と「ちゃちゃ」と命名。注射器みたいなスポイトで餌をあたえ、育てる。寒かったのもあるのか、風邪をひいて、そこから耳が膨らみ爆発する、という不思議な病気で「ちゃちゃ」、「ひこ」の順に死す。

 1983年4月の初めのこと。
 そして、もう一羽。メス。「チイコ」。 「チイタ」のお嫁さんとして、うちの子となる。一女を産む。かわいい顔、仲のいい夫婦。未亡人となってからは、すっかり元気をなくしてしまうが、おかあさんを恋人とし、卵まで産んでしまう。おかあさんにしかなつかない。
 88年冬に娘の「ひころう」の死をきっかけに、1日だけ再婚。
 翌朝、圧迫死。

 1983年7月
 「チイタ」と「チイコ」のあいだに生まれた卵がかえる。生まれて間もないのに、いきなり大人の羽が生え、体もでかい。「ひころう」と名付けるが、いきなり卵を産み、メスと判明。よって急きょ「ひころうこ」と変更。
 元気で大きな文鳥。88年冬 死す。

 1988年冬
 チイコの再婚相手として、オスを購入。
 「ピッチー」と名付ける。まだ若い花婿、でも1日だけ。
 温厚でぼーっとした性格。きれいな声でさえずる。はじめは目が合うだけで怯えて巣に飛び込んだが、静かに話しかけているうちに徐々に慣れ、少しずつ手乗りになった。
 94年冬、死す。 

   1990年クリスマス。
 湖北のペットショップで2羽のひなを購入。
 大きな声でぢーぢー鳴き、よく餌を食べる、いたずら好きで元気にすくすく育った二人を「いぶ」と「こけ」と命名。「いぶ」は、大食いで食べると胃袋がぽっこり出ることから。「こけ」はよくつまづくことから。
 「いぶ」は、リサに、「こけ」は、お姉ちゃんによくなついていた。「いぶ」は、旅行中のリサの部屋で帰りを待っていたり、「こけ」は、お姉ちゃんが帰ってきて出してあげると、独特の喜びの声を出したりした。本当はどちらかがメスなら「ピッチー」のお嫁さんに、と飼ったが、二人ともオスだった。
 「いぶ」は、トヤにとても弱く、96年のエイプリルフールに巣の中で死す。文鳥なのに、ピーヨと鳴く子だった。
 「こけ」は、トヤとくちばしが伸びる不思議な病気で、次第に弱り、家族に看取られながら死す。最後の力を振り絞って巣から出て私たちに挨拶するかのようにしてまもなく。
 98年冬死す。

 1991 春。
 今度こそ「ピッチー」のお嫁さんとして、大人のメスを購入。喜んで「ピッチー」のかごに入れてやるが、飛びつこうとした「ピッチー」を拒否。 オスと判明。メスの料金で買ったのに。
  やや、自閉症気味で、小屋の掃除でも気絶するほど。線の細いメスのような美貌を持ち、オスの美声を持つ、なつかなく、影も薄いがきれいな鳥。
 98年7月死す。

    (1998.11.23 こけちゃんの死んだ日に リサ)

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