2004.12.26日の読売新聞一面に「コウノトリ幸せの舞 紀宮さま"勤務先近く"」としてコウノトリが我孫子に飛来たことを報じた。写真を撮影したのは我孫子市鳥の博物館学芸員の斉藤安行さん。第一発見者は鳥の博物館友の会の中野久夫さんと金成典知さん。カエルをくわえているところを見つけ、鳥の博物館学芸員の時田賢一さんによってコウノトリであることが確認された。

 国の特別天然記念物コウノトリは、かつては全国に生息していたが、現在は野生での繁殖個体群は絶滅、まれに冬鳥として大陸から迷い込むことがある。12月上旬、岩手県大船渡市に飛来したことが報じられていたので、我孫子にもとほのかに期待していたことが実現した。

 コウノトリは幸せを運ぶ鳥といわれ、我孫子市にある山階鳥類研究所には紀宮さまが非常勤研究員を務めておられることから、コウノトリがお祝いに来たのではとのうわさ話も。12月25日、鳥の博物館が柏市にある記者クラブにコウノトリ飛来の情報を連絡したがあいにく土曜日で休み、たまたま連絡の付いた読売新聞の記者、運良く他社に先駆けて一面を飾る記事を書くことになった。記者にとってもコウノトリは幸せを運ぶ鳥だったろう。

 読売新聞の記事を見て、たちまち200人を超えるカメラマンが押し寄せた。昼時近くにハプニングがおきた。人に餌をもらおうとしたのか、コウノトリがカメラマンに向かって歩き始めた。おそらく数メートルまで近づいたそのときは、大砲のような超望遠レンズは役に立たず、カメラマンは後ろ手で眺めるだけ。普通のカメラやビデオが大活躍、携帯電話で撮影する姿もあった。ちょっと滑稽なこの様子を撮影したのが鳥の博物館友の会の西巻実さん。

 我孫子にコウノトリが来て、急きょ高価な望遠レンズを買った人がいる。買うか買わぬかふんぎりがつかないでいたが、コウノトリに背中を押されたのは幸せだったと。コウノトリはカメラメーカーにも幸せを運ぶ鳥だったようだ。後日談もあった。「コウノトリが来た」と言って、鳥見用の望遠鏡購入の許可が奥さんから出た人もいた。いやはや、我孫子界隈は幸せいっぱいになったようだ。

 そんな中で、大忙しは鳥の博物館の学芸員。業務命令ではないものの、年末も正月もなかった模様。休日には、早朝からコウノトリのねぐら出のデータ採取、昼間は自然観察会、夜はねぐら探し。「もう倒れそうです。でも幸せです」と輝いている。